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今月の相談コーナー 毎月 経営に関する様々な疑問にお答えいたします

2016年4月号
金融機関との間合いを詰める

マイナス金利の賛否が世間をにぎわしていますが、中小企業にはどのような影響がありますか。

日銀の狙い通り融資が積極的になり企業にはプラスになるという考え方と、金融機関の収益性が悪化するため不良債権の増加を懸念し、ベンチャー企業や業績不振企業への融資が厳しくなるという見方に分かれているように見受けられます。

1.企業評価のスキルアップが要請される

ある地方銀行の頭取が、「職員に国債や投資信託、保険などの販売促進を進めてきたが、今後は本来の銀行員の仕事に専念させ、地元企業への目利き力を高め成長力のある企業を発掘し支援していきたい」と言っています。その理由は従来の審査方針は、業績懸念や担保力不足の企業については、極力リスクを避けるため信用保証協会の保証付きを条件としていました。特に、リーマンショック時は100パーセント保証付き融資が盛んに行われました。

しかし、100パーセント保証付き融資の債務不履行による代位弁済額が突出して多いことが判明し、その後、安易に保証協会保証に頼る融資態度を是正するため、借入額の80パーセントを保証限度額とする保証 枠へ縮減された経緯があります。

昨年以降、金融庁は金融機関の審査能力にこれまで以上のスキルアップを求めると同時に、保証協会保証枠上限のさらなる縮減を打ち出しています。したがって今後の借入金審査は、単に保証協会保証に依存したり決算数値や担保力に頼るのではなく、その企業や事業の将来性を重視した総合的評価の目利きが求められます。企業の方も、自社の経営努力や将来性などについて的確なアドバイス、支援による信頼関係が構築できるかどうかという視点から見直す必要があると考えられます。

2.税務署と銀行はどうも苦手

税務署はともかく、銀行の敷居が高いと感じる経営者が多いようです。しかし、中小企業の発展は金融機関と良好な関係を築けるか否かに大きく関わってきます。担当者から課長、次長、支店長へと徐々に人間 関係の間合いを詰めていく必要があります。求められた資料を持参し、逃げるように帰ってくるのでは信頼関係の構築はできません。積極的に会社を売り込む努力をしましょう。

①求められる前に月次試算表を持参し、概況を説明します。そのうち機会が訪れたら支店長にあいさつしましょう。先方も支店を代表する支店長ですが、あなたも企業を代表する社長です。対等の立場で接することから信頼が生まれます。②決算報告書は、決算内容と今後の事業計画について説明します。要点をまとめたコメントをつけるなどの工夫をします。質問に対しても的確に答えましょう。③当座預金、普通預金などの流動性預金残高は月商の1~1.5カ月程度の残高を保持することが信用を高めます。金融機関の本音は、資金に余裕のある人に貸したいのです。③融資の申し込みは、資金を何に使うか明確に説明します。金融機関は使途が不明確な融資は不良債権化しやすいという経験則を持っています。⑤金融機関は嫉妬深いのです。メイン、サブ銀行別に適切なバランスをとった交渉態度が必要です。

今後、人口減少や経済動向により金融機関の融資体制も変わろうとしています。借入金利の動向に一喜一憂するだけでなく金融機関との関係を見直す必要があるでしょう。

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