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今月の相談コーナー 毎月 経営に関する様々な疑問にお答えいたします

2009年11月号

修行のため同業他社に入社させていた長男を呼び寄せ、事業を引き継がせたいと思いますが、言を左右にして、なかなか承諾しません。
30人ほどの従業員さんがおられるとのことですが、厳しい経済の現状を考えると、なかなか踏み切れないというご子息の気持ちも理解出来ないわけではありません。

一、強い承継意志と一定の在任期間が必要

現在の事業承継税制の活用には、後継者の強い事業承継意思と一定の在任期間が前提となっています。

例えば、自社株の贈与税の納税猶予は、取締役として3年間の在任期間が必要ですし、また、万が一、相続が発生した場合も、自社株の相続税猶予制度の利用には社長として会社を5年間継続することが条件となっています。

二、会社の現状を十分説明する必要がある

事業承継の準備には、まず、企業の現状を理解させることが重要です。

業界の現状や取引先との関係、主力商品の売上動向、決算内容についても十分説明し「売上高や利益の状況」「金融機関からの借入状況」事業の将来性、これから計画していること等を充分に説明し理解してもらいます。

三、担保、債務保証についての説明

後継者が、最も懸念していることは金融機関の連帯保証や担保物件の状況です。

中小企業の金融機関借入には、代表取締役の連帯保証が当然のように要請され、例え、代替わりをしても旧代表者に加えて、新代表者にも連帯保証を求められる場合が多いようです。

現社長にすれば、「社長になれば、そんなことは常識だ」と考えているかもしれませんが、後継者にとっては、自分の自宅や個人資産、場合によっては家族にも影響がある大問題です。

従って、借入金の返済計画を示し、実際に代替わりをする5年後には幾らになっているとか、担保物件の状況「代替わりをした後の新規融資のみ後継者が連帯保証をする」等の考え方も検討する余地があります。

四、経営計画の作成に協力させる

後継者とともに事業計画を作成することも効果があります。

中、長期の事業計画作成に若手従業員のプロジェクトチームを組み、その中に参加させ同業者勤務中に勉強したことを組み込むなどの工夫すれば、自分が入社した後のスタッフとの意思疎通や自分の考え方や経営方針が折り込まれ、次期社長としてのきっかけ作りになり、会社の現状や問題点、将来のスタッフを通して企業風土や果たすべき役割が自然に理解できることになります。

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